『 健康ブログ~風邪をひくまえに行いたい、6つの健康法 』
名古屋市中区栄の足立耳鼻咽喉科がお届けする健康ブログです。当ブログでは耳鼻咽喉科領域に限らず、もう少し広い視野でより快適に生活できる情報を発信します。また流行りの健康情報ではなく、基本に忠実な情報を書きたいと思っています。末永く宜しくお願い致します。
(専門外の病気についての詳細は、各専門科でお尋ねください)
こんにちは、健康ブログ編集長です。当ブログを始めて約4年になりますが、読者の方の反応は号によってかなり違います。テーマが違うので当たり前ですが、わざわざお電話で感想をお話頂いたり、ご質問を受けることも。クレームかな、まさかの炎上?とドキドキしながら応対しますが、今までのところは温かいお言葉を頂戴しています。
今日はちょうど2年前と同じテーマですが、内容はパワーアップしてお届け致します。
本日のテーマは、
「 風邪の引き始めにやっておけば良かったと必ず後悔する!? ”6つの健康法” 」
いつの間にか、温か布団などの製品が店頭に並ぶ、そういう季節になってきました。当院もそのせいか風邪の患者さんが増えてきました。何事もそうですが、”始め”が肝心、風邪ならば引き始めにどう対処するかで、後々の病状が変わってくるのです。
本日はいわゆる”風邪”を重症化させずに早めに治す方法について、お話して参ります。これをマスターすれば、この冬を健康で過ごすことも夢ではありません。
風邪ってなに?どうしてひくの?
私たちは「風邪ひいた!」とか「風邪は万病のもと」とか日常的に使っていますが。実は「風邪」は通称で、正式な病名ではありません。正式名称は「風邪症候群」「感冒」「急性上気道炎」などです。のどの痛みや鼻水、咳、場合によっては発熱などを伴い、数日で治る症状をいいます。
原因はほぼウイルスであり、そのウイルスの数は数百種類にものぼるとされています。多くはライノウイルスで、「ライノ」とは「鼻」という意味。つまり、鼻水が出るような風邪を引き起こすウイルスをこう呼んでいるのですが、このライノウイルスにも、100種類以上あるといわれています。
なお、症状は風邪とよく似ていますが、もっと症状が重くなる「インフルエンザ」は、別名「流行性感冒」ともいい、別扱いにしています。
医師は、風邪のような症状で受診された患者さんが、別の病気でないと判断したとき、消去法で「風邪ですね」と診断しているのです。
風邪の治療
実は、風邪に効く抗ウイルス薬はいまだ開発されていません。それは、原因ウイルスが多すぎること、また、命に関わるケースがほぼなく、たいていは数日で治るために緊急性が低いことなども理由です。
そういう理由で風邪で処方される薬は、あくまで症状を抑えるための薬。つらい症状をやわらげて、できるだけ快適な生活を送れるようにし、体力の消耗を防いで回復を早めることを目的として処方されています。
医師が抗生剤を使いたくない理由
風邪と似たような症状を引き起こすものとして「肺炎」、「扁桃炎」、「溶連菌感染」、「副鼻腔炎」などがあります。咳やのどの痛み、鼻水、発熱などの症状が出るものですが、風邪との違いは原因。これらは、おおむねウイルスでなく、細菌が原因で起こっています。
こうした細菌が原因の症状は、抗生物質が効果がある場合が多いのですが、風邪の原因となるウイルスには、抗生物質は効きません。ですので本当は抗生剤を出したくないのです。
しかし昔の医療の弊害か、間違った情報が流れたのか、患者さんの想い込みかはわかりませんが、風邪のときに抗生物質を出してほしいという患者さんが非常に多いのが現実です。ウィルスの構造上効果が期待出来ないんですが、患者さんの要望に答えなくてはならない。このジレンマに悩みます。
そして一番怖いのが、むやみに抗生物質を使うと耐性菌を増やすことになること。つまりせっかく開発されて医療現場で使える抗生物質を、自分たちの手で葬ってしまうかも知れないのです。
そのような理由で
風邪の症状が起こるしくみ
風邪のウイルスが体内に入っても、体の免疫力が高く、ウイルスの増殖を食い止められれば、風邪はひきません。ウイルスが増殖して初めて「風邪をひいた」ということになるのです。
風邪のウイルスは、まず鼻や口内、のどなどに付着します。このときにウイルスが増えていくと、のどや鼻の粘膜が傷つき、のどの痛みや鼻水が生じます。さらに進行して気道までウイルスが広がると、咳や痰が出るように。
さらにウイルスが増えると、体は熱を出します。ウイルスは熱に弱いので、人間が耐えられるギリギリまで熱を上げて退治しようとするのが、発熱のしくみです。
風邪をこじらせやすい人とは?
風邪をひかないようにするためには、普段から規則正しい生活、バランスのとれた食事、十分な睡眠を取り、免疫力を高めておくことが大切です。
また、風邪をひいたかな、というときでも、初期段階で早めに正しく対処すれば、ひどくなる前に治ることもあります。しかし、このときの対処を誤ると長引きがちに。
次のような過ごし方をしている人は、風邪を引いたときにこじらせやすいといえます。チェックしてみてください。
普段から睡眠不足気味であり、風邪をひいてもあまり睡眠が取れない
普段からダイエットをしていて栄養バランスを欠いている
風邪をひいたら、スタミナをつけようとステーキやカツ丼などを食べる
寒気を感じても、厚着など暖を取ることはしない
水分をあまりとらない
最近、転勤や引っ越しがあり、生活が大きく変わった
最近、とても忙しくなった
人の体に大きな負荷がかかるため、環境の変化や、季節の変わり目などは注意が必要です。そして風邪かなと思ったら、以下のような対策を心がけてください。
「風邪かな?」と思ったら、やって欲しい対策
まずは休むこと。
風邪を治すには、何といっても自分の免疫機能を上げることで、まずは睡眠が大切です。いつもより長い、十分な睡眠時間を確保しましょう。また、本人がリラックスできる環境を整えることで、熟睡できるようになります。アロマを炊く、照明を工夫するなど、最も落ち着く方法で良質な睡眠をとるようにしてください。
仕事は忙しいのは充分理解出来ますが、風邪は万病のもとですし、体調が優れないと仕事のパフォーマンスは激落ち。仕事を早く切り上げて休む、こういう思い切りも仕事が出来る人はやっていますよ。
食事について
バランスの取れた食事をとることが大切ですが、食欲が落ちているときは無理に食べないようにしてください。
食べ物を消化・吸収するのはとてもエネルギーを使うため、温存するべき体力が低下してしまいます。スタミナをつけようと、ステーキなど消化の悪いものを食べるのは逆効果。おかゆやスープなど消化のよいものを、食べられる範囲でとるようにしましょう。また、熱すぎたり冷たすぎるのも体の負担になるので、人肌くらいのものが最適です。
体を温め、効果的に熱を上げる
風邪の初期症状の一つである悪寒は、熱が上がる前のサイン。生体反応として、体が熱を上げるシステムを作動させようと、筋肉を震えさせて熱を生み出そうとしているのです。この段階で体を温めてあげると、免疫力が高まり、ウイルスを撃退しやすくなります。
大きな血管が集まっている3つの首=「首・手首・足首」を温めると効率的に体温が上がるので、ここをカバーできる服装をしましょう。しょうが湯など、体が温まるものを飲むのも効果的です。
またせっかく体が発熱して頑張っているので、市販の解熱剤などは飲まないようにしましょう。
また、「風邪のとき、お風呂に入ってもいいの?」とよく聞かれますが、38度以上の熱があったり、体がぐったりしているときを除けば、入っても問題ありません。体を温めるという意味では、風邪の回復を早めることにもつながるでしょう。ただし、高い温度の湯に長く浸かると体力が消耗するので控えて。また湯冷めしないよう、十分気をつけてください。
水分補給はしっかりと
風邪をひいたときは、水分をしっかりとることが大切です。まず、発熱時には、体から水分が奪われるため、脱水を防がなければなりません。脱水を改善するだけで熱が下がる場合もあります。また、熱が出ていなくても、風邪のときは体内の細胞がフル稼働していますから、細胞の一つ一つが水分を必要としているのです。
高齢者の場合、のどの乾きを感じにくいので、気づかないうちに脱水になっていることもあります。風邪や発熱の際には特に、意識的に水分をとるようにしてください。
乾燥を防ぎ、加湿する
ウイルスの多くは低温低湿の状態で活発化するため、風邪予防には加湿が重要といわれます。しかし風邪をひいてしまったあとも、加湿は大切です。のどや鼻の粘膜の表面には「繊毛(せんもう)」があり、ウイルスを排除する役割を担っているのですが、乾燥すると繊毛の働きが悪くなってしまいます。加湿器を利用したり、濡れたタオルを何本か掛けておくなどして、室内を乾燥させないよう心がけて。
様子を見て医療機関に受診を
風邪の基本症状の多くは、1週間程度で自然に治ります。それ以上続く場合や、鼻水がにおう、咳がずっと止まらないなど、風邪とはちょっと違う症状が見られた場合は、別の感染症にかかっている恐れもあるので、医療機関を受診するようにしましょう。
また、薬局で市販されている総合感冒薬の多くには、眠くなる成分が含まれています。運転する予定がある人や、眠くなるのを避けたい人は、病院で薬を処方してもらうほうがよいでしょう。
まとめ
当たり前のことばかりですが、意外と出来ていないもの。風邪をひいたら、無理せずに休むように心がけましょう。
私も経験がありますが、普段の生活においては体調万全であれば風邪はそんなに引かないと思います。やはり仕事などで無理をしたとか、睡眠不足の時に引くものです。体のサインだと思って、しっかり休息をとって頂きたい。
それでは、また来週!
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◇ 編集後記
アメリカではコロナ終息宣言が出たとか。この冬場が心配ですが、いよいよコロナも共存できる状況になるのかなあ。世界中の人々がたくさんの犠牲を強いられましたが、明るい世の中になるといいですね。
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<当ブログ記事に関しての注意>
・当院の健康記事の詳細は、専門の医療機関にてお尋ね下さい。
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