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重症のスギ花粉症に対する最新治療『ゾレア注射』を始めました

[2021.02.01]

こんにちは、足立耳鼻咽喉科伏見クリニックのなこるんです👧

今回は、2020年より重症・最重症のスギ花粉症に対して2月〜5月限定で行っている抗IgE抗体「ゾレア」を皮下注射する治療を始めましたので、ご紹介させて頂きます。

スギ花粉症によるくしゃみ・鼻水がとまらない・鼻がつまるといった鼻炎症状が内服薬でもおさまらず1日中鼻をかんでいるといった方、また抗ヒスタミン薬の眠気が強くより強力な効果が期待できる薬剤に変更・増量できないために鼻炎症状がおさまらない方にとっては検討する価値の高い治療です。

スギ花粉が鼻の粘膜に付着すると花粉の持つたんぱく質が「抗原」「アレルゲン」として認識されます。体の免疫防御システムは「IgE」という免疫グロブリンを作ることでスギ花粉を排除しようとします。

スギ花粉症のある方は、以前のスギ花粉「情報」により、スギに対するIgEが身体の中で産生され、肥満細胞の表面に並んでいます。このIgEにスギ花粉がくっつくことで「スイッチ」が入り、肥満細胞からヒスタミンという生理活性物質が大量に放出されてしまいます。

このヒスタミンが神経や分泌物を出す鼻腺・血管などにあるヒスタミン受容体にくっつき、くしゃみ・鼻汁・鼻づまりなどを引き起こします。

つまり、スギ花粉を認識するIgEを持っているかがスギ花粉症の最も重要な入り口のカギとなります。

現在、アレルギー性鼻炎の治療薬の主役は「抗ヒスタミン薬」です。先ほど記したアレルギー反応の結果、肥満細胞から飛び出したヒスタミンが受容体にとりつくことをブロックする薬です。より効き目が強く、より眠気の副作用が無い薬が開発され、多くのスギ花粉症の方の症状軽減に役立っています。

ただ、アレルギー反応はヒスタミン以外の多くの物質が関与して引き起こされますので効果が不十分となる方もいます。

スギ花粉症の治療としては、抗ヒスタミン薬の内服以外に点鼻ステロイド薬、抗ロイコトリエン薬、内服ステロイド、手術治療などがありますが、最近ではスギ花粉エキスによる舌下免疫療法も有効性を示しています。

ただ、これらの様々な治療にトライしても症状がおさまらない最重症のスギ花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の方に対して、新たな選択肢として「抗IgE抗体ゾレアによる治療」が認可されました。

ゾレアは花粉によって産生されたIgEと結合し、IgEが肥満細胞(マスト細胞)と結合できなくすることでアレルギー反応「スイッチ」が入らないようにします。

血液中の総IgE値、体重をもとに投与量が計算され2週間もしくは4週間おきに1〜4本の注射を皮下注射する治療となります。

治療までの流れ

12歳以上が対象

初回診察にて重症のスギ花粉症であることを確認します。

症状が副鼻腔炎などの他の病気によって引き起こされているものではないかを、レントゲンやファイバースコープ検査などで確認することもあります。

採血を行い、スギIgE値・総IgE値を測定し体重を測らせて頂きます。

1週間以上、抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイド薬による治療を行います。

2回目受診時、採血結果を説明して投与可能かどうか、投与量と投与間隔をお伝えします。開始するかどうか決めて頂きます。

3回目受診時、ゾレアの注射を開始します。

ここまでステップを踏んで初めて注射可能となります。

スギIgEがクラス3以上、総IgE値が30〜1500IU/mlであることが絶対条件です。(IgE値が高すぎる人は重症の方に多いのですが、投与量が増えすぎるので逆に投与できません)

体重と総IgE値よりゾレアの投与量と投与間隔が決められます。総IgEが高く、体重が重い方はより多くの注射を必要とする計算です。体重がより重い方は、総IgE値が1500IU/ ml以下であっても必要投与量が限界量を超えてしまうことにより「投与不可」となることもあります。)

 

 

 

 

 

 

 

治療費

費用は薬剤費のみで1ヵ月あたり3割負担で約4500円〜7万円の間です。

その他、受診・検査にかかる費用、同時に服用し続ける必要のある抗ヒスタミン薬の処方費がかかります。

小児は12歳以上が適応ですが自治体によってはこども医療費などの医療助成が受けられます。

 

4週間に1回投与の方

2週間に1回投与の方

 

既存の治療法の効果がみられず、大変苦しい花粉飛散期を過ごされる方にとっては朗報となる可能性のある治療法です。

ご検討の方は当院でご相談ください。

 

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