『 健康ブログ~安易な耳掃除は要注意!耳あかと上手く付き合う方法 』
名古屋市中区栄の足立耳鼻咽喉科がお届けする健康ブログです。本職は耳鼻咽喉科領域の治療を専門としていますが、当ブログではもう少し広い視野で、より快適に生活できる情報を発信します。流行りの健康情報ではなく、基本に忠実な情報を書きたいと思っています。宜しくお願い致します。
こんにちは、健康ブログ編集長です。いよいよ今年もあと2週間、早いですね~。今年はかなり温かい冬ですが、体調はいかがですか?今日は誰もが馴染み深い耳掃除の話。耳掃除って気持ちが良くて、ついついしてしまいがちですが、実はトラブルに発展することが多いのです。
本日のテーマは、
「耳掃除のトラブルに注意!」
本日も読売新聞様の記事(12月9日)を抜粋、参考にさせてもらいながら健康情報をお伝えして参ります。耳掃除にまつわるトラブルは結構ありまして、当クリニックにも多数ご相談に来て頂いております。ご自身であったり、お子さんの場合もありますが、トラブルになりやすいので今一度取り上げようと思います。
耳掃除の様々なトラブル
「耳垢栓塞(じこうせんそく)」という症状をご存知でしょうか?聞き慣れない言葉ですが、行為を聞くとアア・・・と思い当たるお母さん方も多いかと思います。
耳垢栓塞とは耳あかが塊になって耳の穴をふさぎ、声や音が聞こえにくくなったり、耳鳴りを引き起こすこともある状態です。耳あかを取り除けば症状は治まるのですが、原因の多くは耳かき棒や綿棒で掃除しようとして、耳あかを奥に押し込んでしまっているためです。耳あかって基本的には外からは見えないものですが、結構痒くなったりして気になることが多いですね。
耳あかは古くなって剥がれた皮膚に、汗や皮脂などの分泌物やほこりなどが混ざったものです。本来人間には耳あかを排出する機能が備わっているので、耳の入口から1cmほどのところに出来て、ベルトコンベアーのようにゆっくりと数か月かけて外に移動し、知らないうちに耳から落ちて排出されます。ですので基本的に耳掃除は不要です。こんなところにも、素晴らしい人体のメカニズムが備わっているのです。このような人体に備わった働きを忘れて、耳掃除をしてしまうとかえって事態を悪くすることが多いので注意が必要です。
まず起こりがちなのが、耳あかを奥に押し込んで、さらに固くしてしまうことです。綿棒などで掃除をすると、こういう結果になりがちです。特に耳の中が狭いお子さんは塞がりやすいので要注意。
また耳かき棒などで起こりがちなトラブルは「外耳炎」ですね。耳かき棒は先端が薄く、シャベル状になっているので耳の中をひっかいて傷つけてしまいます。そこに細菌が侵入して炎症を起こしたり。湿疹が出来たりしやすいのです。痛みや痒み、腫れや耳だれ、難聴などの症状も出る場合もあります。痒みを伴う為にさらに耳掃除を重ねて、症状を悪化させてしまう悪循環に陥りやすい。また慢性化してしまい、治療が長引くこともあります。
そして耳掃除中の事故などにも気をつけなければなりません。東京都消防庁によると、管内で2016年~2020年に耳掃除中のけがで280人が救急搬送されており、約半数が0~9歳の子どもだったとのことです。親御さんが耳掃除をして奥に入れすぎてしまったり、兄弟などぶつかって怪我をする事例が目立つそうです。
大切な耳に障害が残るケースもありますので、本当に注意をして欲しいおt思います。
実際どういうふうに注意したら良いの?
基本は自然に任せて、何もしないことです。あまりにシンプル過ぎて、がっくりですか(笑)?
元々備わった自浄作用がありますので、溜まったら自然と排出されることをまずは知りましょう。もし行うとしても、誰もいない状況で行ってください。前述したように家庭内でもぶつかり事故が起こる可能性があります。気になる人は頻度としては月に1回程度、耳の入口付近をぬぐう程度にしておきましょう。油断すると奥に奥にと掃除の範囲を広げる方が多いのですが、止めておきましょうね。
「理屈はわかるんだけど、それでもどうしても気になって・・・」
このような方は専門の耳鼻科医に任せた方が良いと思います。。たまっているようなら耳鼻科で掃除をしましょう。ご本人ももちろんそうですし、お子さんにもよく教えてあげて下さい。
それでは、また来週!
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◇ 編集後記
健康に関する情報を入手すればするほど、生命の神秘を感じずにはおられません。本当によく出来ていますよね。
今日の生物ネタですが、シャコってご存知ですか?海老みたいな、お寿司のネタになる生物です。海老とは遠い親戚、カニやダンゴムシの方により近いそうですが、シャコのすごいところは”パンチ力”。餌である貝等を捕食する際、強烈なシャコパンチで貝殻を割って食べます。デコピンのような瞬発力のあるパンチで、このパンチの速度は何と時速80km、人間サイズに換算すると700トンもの重みになるそうです(ビルの屋上からトラックを落下させた衝撃)。ライオンやトラも即死レベルで、エサをとる為に進化した結果です。すごい・・・。
モンスターと呼ばれるボクシングの井上選手も真っ青、自然界のハードパンチャーなのです。お寿司を召し上がる時には是非思い出して下さいね!
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☆ 足立耳鼻咽喉科は「アレルギー性鼻炎」のトータルケアクリニックを目指しています。
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<当ブログ記事に関しての注意>
・当院の健康記事の詳細は、専門の医療機関にてお尋ね下さい。
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