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病気について

「病気や不調の原因を的確に把握して、対策を打つことの大切さ」

耳鼻咽喉科領域の主な病気の概略を知って頂くページです。

漠然とした不安を抱えて暮らしていく場合と、原因が何かを知っている場合とでは生活をしていく上で大きく違うと考えます。
痛みや熱や、その他の病気・不調の原因を知ることは、非常に大切です。
感染症や耳鳴り、めまいなどでツラい症状が感じている方、なかなか回復せず悩んでみえる方の一助になれば幸いです。

*ホームページ下段の「治療のご案内~耳・鼻・喉・首・その他の症状)」にも病気の解説がございます。

 

耳の病気~中耳炎について

a) 急性中耳炎

症状

耳だれ、耳づまり、発熱、難聴、耳の痛みなどを感じます。
小さい子供では痛みを訴えることができず、泣いたり、頻繁に耳をさわることが急性中耳炎の危険信号です。

原因

耳管(耳と鼻をつなぐ管)を通して、中耳に細菌やウイルスが入ることにより、急性の炎症が生じ、膿がたまる病気です。風邪をこじらせ、鼻やのどの炎症に引き続いて起こる場合が多いです。
お母さん方が心配されることのある、「耳の外から水や菌が入って急性中耳炎になる」といった事はごく稀なケースです。
急性中耳炎が悪化すると鼓膜の一部が破れてしまうことにより、耳漏(耳だれ)が出てくる場合があります(図)。
大人の場合は重症化したり、なかなか治らないことはごく稀なのですが、乳幼児(特に保育園などで集団保育を受けている場合)は再発を繰り返し、重症化したり、なかなか治らない場合があります。

治療法

初期の場合は、院内にて中耳につながっている鼻の状態を治療していくことも大切な治療です。
また、抗生物質や炎症を抑えるお薬により治療していきます。
下記のような状況の場合、鼓膜を少しだけ切って膿を出す治療をすることもあります。

  • 膿がたまって鼓膜がはれ、痛みが強いとき
  • 高熱が持続する場合

※鼓膜は切っても、通常数日でふさがります。もちろんですが、特にお子様の場合、ご両親が希望され、切開に同意される場合のみ施行し、無理やり切開することはありませんので、ご安心下さい。

急性中耳炎は放置すると再発する可能性が高く、鼓膜の穴が閉じなくなったり、滲出性中耳炎に移行することもあるため、完全に治すことが重要です。年齢性の問題も大きく、特に未就学児は構造的になりやすく、注意が必要です。

b) 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)

症状

症状としては、難聴・耳つまり感・耳鳴りが挙げられます。
幼児の難聴の多くは、この滲出性中耳炎によるものです。


子供の場合は滲出性中耳炎になっていても、ほとんど痛みもなく、発熱しないため、滲出性中耳炎になっていることに気づかないこともあります。そのため、下記のような症状が見られた場合は一度お近くの耳鼻科を受診してみて下さい。

  • テレビの音を大きくする
  • 大きな声でおしゃべりする
  • 呼んでもふりむかない

また下記のような症状がある場合にも滲出性中耳炎を併発しやすくなります。

  1. かぜをひきやすく、鼻がぐずぐずしていたり、咳が続いている
  2. いつも鼻汁・鼻づまりやくしゃみがある(蓄膿症やアレルギー性鼻炎を患っている)
  3. いびきが大きい

大人の場合は、下記のような症状を訴えます。

  • 難聴
  • 耳栓をしている様な耳づまり感
  • 自分の声が耳に響く
  • 耳の中で水の音を感じる
  • 登山もしくは飛行機搭乗時の気圧の変化時に感じるような耳づまり感
原因

子供の場合、多くは急性中耳炎に引き続き起こります。
但し、原因不明により滲出性中耳炎になっている場合もあります。
鼓膜の奥に滲出液がたまり、音が聞こえにくくなります。
お風呂やプールの水が中耳にたまることが原因ではなく、滲出液が中耳にたまることでおきます。

治療法

下記の3種類が治療法として挙げられます。

  1. お薬の内服や吸入により、鼻とのどの治療を行います。
  2. 長期間、アレルギーを抑制する薬と少量の抗生物質を飲んでいただく場合もあります。
  3. 耳管(耳と鼻を結ぶ管)から空気を送ることで、たまった滲出液の排泄を促進します。

鼓膜を切開し、小さな穴をあけることにより中耳にたまった滲出液を取り除く事もあります。
切開時には鼓膜に麻酔液をつけてから行うため、痛みを軽減します。
もし症状が再発し、切開を繰り返し行う必要があった場合でも、鼓膜は再生力が強いのでご安心ください。また、鼓膜の切開を繰り返し行っても治りが悪いときは、切開後に鼓膜にチューブを挿入し、滲出液の排泄を促すこともあります(左図)。

c) 慢性中耳炎

症状

耳だれと難聴が主な症状です。
耳だれは感染時のみに見られ、その際は絶えず出ているものからほとんど自覚しない程度まで様々あります。

内容

鼓膜は再生能力が強く、穴が生じても自然に閉じます。
しかし、炎症が長期化することにより、鼓膜が閉じない場合もあります(上図)。
また、慢性中耳炎に感染している場合、外耳道から中耳腔へと細菌が簡単に侵入できるため、感染を繰り返しやすくなります。

治療法

慢性化している原因を特定した上で、耳を乾燥させるための治療を行います。症状が軽い場合は患部の洗浄、抗生物質の服用によって治療します。また炎症を抑え、耳だれを止めるために点耳をする場合もあります。

治療の経過によっては手術が必要となる場合もあります。
(手術が必要になる場合は、患者さんの状況(住所、症状の程度)を勘案して、提携病院をご紹介いたします。)

*さらに詳しく知りたい方は、コチラです。

 

耳の病気~外耳炎

症状

通常、かゆみや痛み、耳だれなどの症状を伴い、難聴や耳の異臭、耳の閉塞感などを感じることもあります。初期の症状はかゆみであるため、「かゆいから掻く」を繰り返しているうちに傷が悪化し、重症化します。
尚、重症化した場合には、骨の変形や顔面の腫れが観察される場合もあります。

原因

外耳道を傷つけ、カビや細菌に感染することで炎症を起こします。
外耳道を傷つける原因としては、患者様ご自身の耳かきや綿棒による擦り傷、掻き傷であることが大多数です。
大人から子供まで幅広くみられ、多くの場合治療が終わってもまた掻いてしまい、繰り返すケースが大半です。

治療法

傷ついた耳の回復を促進するために薬を服用していただきます。
症状に応じて、医院にて耳の洗浄や、患部に点耳薬を塗布し一定時間接触させる治療(耳浴)を行います。また、軟膏を塗っていただく場合もあります。
耳かきや綿棒で治療期間中は外耳道を絶対に触らないようにしてください。(※治療期間中は耳掃除もお控えください。)どうしてもかゆくて触ってしまいそうになる場合はかゆみを和らげる薬を処方することもあります。
症状が悪化する前に専門医の診療を受けるようにしてください。

(別ページもございます。コチラです)

 

耳の病気~耳鳴り

症状

周囲に音がしていないのに音がしているように感じます。頭や耳の中で「ジーン」「キーン」といった音が聞こえるのが特徴です。慢性的に起こり、軽い不快感から、不眠、ときにうつ状態など、大小のストレスを引き起こす場合があります。

また、急に生じた耳鳴りは急性感音難聴の自覚症状であることもあり、病気の種類によっては治療に急を要する場合があります。年々、耳鳴りの患者数は増加傾向にあり、特に耳鳴りで悩んでいる人が増えている年代が20~30歳代の女性の方にいるようです。

原因

耳鳴りには3種類あります。

  1. 加齢によって起こる耳鳴り
  2. ストレスで起こる耳鳴り
  3. 病気が原因の耳鳴り

そして 3 の場合には下記のような疾患が挙げられます。
メニエール病、突発性難聴、老人性難聴、ラムゼイ・ハント病、薬剤性内耳障害、自律神経失調症、外耳道炎、耳硬化症、中耳炎、鼓膜炎、耳管機能不全、耳管炎、聴神経腫瘍、聴神経炎
突発性難聴などの急性感音難聴の場合、治療のタイミングがおくれると治らない場合があり、注意が必要です。

治療法

耳鳴りに関しての治療法は原因によって異なるため、一概にお伝えすることは難しいです。
加齢によって生じる耳鳴りは現在の医学では治療が難しいのですが、大切なことはカウンセリングを取り入れることで、出来るだけ気にならないような方向に導いていくことです。必要があれば、耳鳴りの治療を専門としている施設に紹介することもあります。
精神的なもので発生している耳鳴りに関しては、原因を突き止め、精神的なストレスがかからないように対応策を講じていくことが必須です。
他の疾患が原因の場合は各々の疾患の治療を行うことで治療をすすめていきます。

 

耳の病気~難聴

難聴とは「全くきこえない状態」だけでなく「聞こえにくい状態」を含みます。
難聴の種類としては以下の3種類があります。

1.伝音性難聴

中耳もしくは外耳における病気が原因で起こる難聴です。 伝音性難聴は慢性中耳炎や滲出性中耳炎といった中耳炎、外耳炎、耳垢栓塞、耳管狭窄症、耳硬化症などが挙げられます。

2.感音性難聴

内耳から中枢の病気によるもの、年齢によるもの、遺伝による難聴です。 感音難聴は突発性難聴、騒音性難聴、メニエール病などの内耳の病気、聴神経腫瘍などの中枢の病気、年齢による老人性難聴、遺伝による家族性難聴があります。特に突発性難聴は下記のごとく早期受診が望ましい疾患です。

3.混合性難聴

伝音性難聴と感音性難聴の双方の原因が重なった難聴です。老人性難聴は混合性難聴である場合が多く、人によって伝音性難聴・感音性難聴の比率は異なります。

 

耳の病気~突発性難聴

症状

突然聞こえなくなったり、耳の閉塞感を感じるようになります。自分の声や、人の声などが、耳の中で響いたり、また、耳鳴りやめまい、吐き気、嘔吐を伴うこともあります。
そして、突発性難聴は

  1. 突然発症する
  2. 原因不明である
  3. 音がほとんど聴こえない

といった3つの特徴を持っています。

原因

聴こえの神経への血流障害やウイルスによる障害、ストレスなどが考えられていますが、今の所よくわかっていません。

治療法

突発性難聴は早期に治療すれば快方に向かう可能性のある数少ない難聴の1つです。裏返していくと治療のタイミングが遅れると、手遅れになってしまう可能性のある病気です。治療のゴールデンタイムは発症から1カ月といわれていますので、放置せず発症から1・2週間以内に治療開始できるのが望ましい疾患です。
症状が軽い場合はビタミン剤や循環改善剤を投与し、経過を観察します。
それでも難聴の度合いが改善しない場合、もしくは症状が悪化する場合には、内服ステロイド薬やビタミン剤や循環回復治療を行ない、状況に応じてプロスタンディン点滴治療も行います。難聴の程度が著しければ、入院管理になることもあります。
糖尿病のある方に対して、当院においてステロイドの投与は実施できませんので、連携している病院をご紹介させていただきます。

 

耳の病気~低音障害型感音難聴

症状

低い音だけ急に聴こえが悪くなる病気で、以前は突発性難聴としていましたが、厚労省の研究により比較的よく治るため別疾患として分類されています。

原因

多くは内耳のむくみによって生じています。メニエール病(蝸牛型)と関係がある場合があり、反復したり、その場合その後にめまいが出現する場合もあります。

治療

内耳の血行をよくする薬や内耳のむくみをとる薬を使用します。程度が著しければ、相談してステロイドを使用する事もあります。またこの病気は、ストレスや疲労を避け、睡眠を取って頂くことも、治療の手助けとして大切な場合があります。

 

鼻の病気~急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)

症状

鼻づまり、鼻汁、頭痛、顔面痛、頬の圧痛や違和感、後鼻漏(のどに流れる感じ)また、下を向いたりかがんだりすると症状がひどくなることもあります。当初はサラサラした鼻ですが、症状が進行すると粘り気のある黄色の鼻汁に変化していきます。この鼻汁がのどにたれることにより、咳の原因になったり、飲み込んでしまう場合もあるので注意しなければなりません。発熱は軽微です。高熱や激しい頭痛がある場合、ごく稀ではりますが、硬膜外膿瘍や脳膿瘍など頭蓋内合併症の疑いがあります。

原因

急性副鼻腔炎はウイルス感染(特にカゼ)の後にかかる場合が多いです。完治させずに放置しておくと慢性副鼻腔炎(ちくのう症)に移行する場合もある為、早期の適切な治療が必要です。

治療法

患者様のご希望やライフスタイルに応じて治療を行います。

  1. 鼻・副鼻腔にたまっている鼻汁を吸引する処置
  2. 抗生剤がはいったネブライザー治療
  3. 薬の内服

上記以外に疼痛があまりに強い場合は、非常に稀ですが、緊急手術で排膿する場合もあります。
※ネブライザー・・・鼻や口から霧状にした薬剤を吸入することによって直接患部に薬を浸透させます。効率よく薬を患部に作用させることができる為、鼻の通気が良くなり、鼻汁が出やすくなります。また鼻腔粘膜の腫れも鎮めることができます。

 

鼻の病気~慢性副鼻腔炎

症状

鼻の周囲の4つの空洞:副鼻腔

急性副鼻腔炎の場合と異なり、鼻の奥に激痛や鈍痛を生じることはあまりありません。
主な症状は鼻づまりや鼻汁、嗅覚の低下です。
鼻汁は粘性のもの(黄色や黄緑色)で強くかみ過ぎて頭痛を生じる場合もあります。細菌の影響により気管支炎をも起こしてしまうこともあります。
また、心理的原因として鼻汁が喉に回るとことにより不快感が増し、仕事や勉強の際の集中力の妨げになり得ます。

原因

副鼻腔の炎症が2~3ヶ月以上続いた場合は慢性症状とみなします。頻繁に風邪にかかったり、鼻や喉の炎症を繰り返してしまう場合は慢性化する恐れがあります。他にも偏食、環境、アレルギーなどの体質などが原因として挙げられます。体質は遺伝的な要素を多く含んでいる為、親や親族に慢性副鼻腔炎を患っている方がいる場合かかり易くなります。

治療法

慢性副鼻腔炎は、数回の通院によって治すことは困難な為、治療期間はある程度長くなります。完治する期間は個人差が見られるため、予測することが難しいです。

  1. 鼻・副鼻腔にたまっている鼻汁を吸引する処置
  2. ネブライザー治療
  3. 内服薬の処方(副鼻腔の粘膜を正常化させるための薬、抗生剤など)

3ヶ月以上の抗生物質や粘液溶解剤などの内服が必要になる場合もあります。
長期間の内服が必要と診断した場合は、マクロライド系と呼ばれる抗生物質を少量投与する治療を行う場合もあります。治療の終了は症状の改善、消失、レントゲンの撮影によって判断します。鼻の処置や内服治療で症状が軽減しない場合はまず副鼻腔CTを撮影・治療評価、結果によってはご希望により内視鏡下手術も検討します。なお当院ではお待たせすることなく、院内で副鼻腔CT撮影が可能です。

 

のどの病気~扁桃炎

症状

急性扁桃炎時ののど

扁桃に細菌が感染し、炎症が起こるものです。健康な時は菌があっても抵抗力があるので、感染しませんが、風邪をひいたり、過労で抵抗力が落ちると、免疫の力が低下し炎症を起こします。
原因となる菌は黄色ブドウ球菌、肺炎球菌などで、のどの痛みや嚥下痛(食べ物を飲み込むと痛い)39~40℃の高熱、悪寒などがあらわれます。また、炎症が広がると扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍まで発展することがあり要注意です。炎症を繰り返す反復性扁桃炎などもあります。

治療法

のどの吸入を行い、炎症を鎮めてゆきます。
また、抗生物質を含めたお薬を処方いたします。
膿瘍ができた場合は、切開排膿する事もあります。

注意事項

のどの痛みが強いので、食事がつらかったり、水分を摂りにくくなりますが、脱水症状を起こさないように水分は必ず摂取しなければいけません。
抵抗力を落とさない為に、十分な睡眠、栄養のある食事をしっかりとりましょう。

 

鼻の病気~アレルギー性鼻炎

花粉症を含め、もはや国民病とも言えるほどたくさんの方が悩んでいる病気です。
抗アレルギー薬などの進歩、舌下免疫療法の出現、レーザー治療など様々な治療法が出できましたが、まだまだ課題の多いのが現状ですね。

詳細ページはコチラからどうぞ。

 

 

のどの病気~かぜ症候群/急性咽頭炎

症状

「のど風邪」と呼ばれるもので、原因はウイルスの感染や細菌感染が主ですが、 鼻水がのどにおちる事から発症することもあります。症状はのどの痛み、嚥下痛(えんげつう:ものを飲み込むと痛い)などのどの症状に加えて、37~38℃位の発熱、倦怠感 (けんたいかん)などを伴います。熱は上がったり下がったりすることもあります。

治療

はな・のどの吸入を行い、炎症を鎮めてゆきます。
また、お薬も処方します。漢方薬や、状態に応じて抗生物質を使用する事もあります。

注意事項

風邪は何より安静にして、ゆっくり休養することで回復します。
脱水症状を起こさぬよう、十分な水分を摂り、のどに刺激を与えるようなものは避け、栄養のある食事をとってください。

*急性咽頭炎の詳細ページもコチラにございます。

 

インフルエンザ

症状

毎年冬に多く発生する風邪の1種で、主な症状は突然の高熱、のどの痛み、咳、筋肉痛、関節痛などです。また乳幼児はインフルエンザが引き金となって肺炎にかかると命にかかわることもあります。また、感染力が強く、場合によっては学校や職場の閉鎖を余儀なくされる事があります。

治療

原則として抗インフルエンザ薬を処方して、ウィルスが増えるのを抑えます。感染した場合は外出をせず、自宅で回復に努めるようにしてください。インフルエンザは悪化すると生命に関わる場合もありますので注意が必要です。

注意事項

抗インフルエンザ薬は、小児を中心に不穏行動の報告があり、特に発熱後数日間は目を離さないようにご注意ください。異常行動を認めた際には、速やかに医師にご相談ください。また、インフルエンザは大変感染力が強いため、特にご家族でお子様・お年寄りは、インフルエンザに感染した方には近づかせないようにしてください。小児の方は学校保健法に定められた通りの自宅安静が必要になります。

 

甲状腺疾患

症状

耳鼻咽喉科に来られる方は、首が腫れてきた、首にしこりがある、健診で甲状腺を指摘された、といった訴えの方が多いと思います。
首は首でも甲状腺は男性であれば、のどぼとけの下位で気管の上にのっています。
(左図の青い葉っぱのような形が甲状腺)
病気の比率としては、女性の方が多く、『お母さんがバセドウ病だった』という方もいらっしゃるのではと思います。

検査・治療

甲状腺はホルモンを作る内分泌器官で、新陳代謝に関係があり、ホルモンバランスの異常は内科(内分泌科)での治療をお勧めします。
但し甲状腺腫瘍の場合は、耳鼻咽喉科での診療となります。
甲状腺疾患の場合、採血や頸部エコーの検査が有用です。
検査結果や良性・悪性腫瘍で、治療が大きく違いますので、気になる方はまず採血や頸部エコーの検査を受けることをお勧めします。
手術が必要な場合は連携している手術可能な施設へ速やかに紹介します。

 

耳下腺疾患(じかせんしっかん)

症状

耳下腺は耳(耳介)の前から下方に渡り、耳の後ろにまで達する大きな唾液腺(唾液の工場)です。
『耳の下が腫れてきた。』という場合は、耳下腺が腫れている場合もあります。耳下腺のできもの(耳下腺腫瘍)の場合もあります。

検査・治療

耳下腺腫瘍の種類により、対応が違います(ワルチン腫瘍のように手術をしない場合もありますが、他の種類の腫瘍、多型腺腫などは手術することが多い。)。まずは頸部エコーによる検査後相談になります。手術が必要な場合は連携している手術可能な施設へ速やかに紹介します。

 

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

いわゆるおたふくかぜはこの耳下腺がウイルス(ムンプスウイルス)の感染で腫れています。
最初は腫れている耳の下などが痛みます。腫れと痛みがひどいと、食べ物をかめない、飲み込めない等の症状があらわれます。腫れは7~10日間でおさまることが多いです。

治療

ウイルス感染なので、痛みや炎症をしずめるお薬、解熱剤、ご希望があれば漢方薬を服用して頂きます。

注意

おたふくかぜは空気感染(飛沫感染)するため、外出を控えるようにして下さい。小児の場合、学校保健法に定められた通りの自宅安静が必要になります。また、おたふくかぜから合併する病気(高度難聴、髄膜炎、脳炎、精巣炎、卵巣炎など)がありますので、下記の症状のある場合は、必ず診察を受けるようにしてください。

  • 突然聴こえなくなった
  • ひどい頭痛、発熱、嘔吐、下痢、けいれんなどの症状がある
  • 7日以上たつのに、耳の下の腫れがひかない
  • 熱が7日間以上続いて治まらない
  • 耳の下の腫れが赤くなる
  • 男性では睾丸の痛み、女性では下腹部痛がある
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