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慢性中耳炎

慢性中耳炎(まんせいちゅうじえん)

比較的聞き慣れた病名ではないでしょうか?症状や検査方法など、ご説明致します。

概要~中耳炎はこんな病気です

鼓膜は再生能力が強く、穴が生じても自然に閉じます。しかし、炎症が長期化することにより、鼓膜が閉じない場合もあります。

抵抗力が落ちていたり、細菌の種類や薬剤耐性、風邪や耳管機能障害などの要因が重なると鼓膜穿孔が慢性化すると言われています。

また、慢性中耳炎に感染している場合、外耳道から中耳腔へと細菌が簡単に侵入できるため、感染を繰り返しやすくなります。

症状について

慢性中耳炎の症状は、耳だれと難聴が主な症状です。

耳だれは感染時のみに見られ、その際は絶えず出ているものからほとんど自覚しない程度まで様々あります。風邪、過労、飲酒、水泳、補聴器をつける事などにより耳漏は増えることが多い。難聴や耳鳴は進行することが多い。

また頻度は少ないのですが、鼓膜に大きな穴が開いている場合は、温度刺激によると思われるめまいに悩まされる場合もあります(この場合は、鼓膜閉鎖により症状が劇的に改善します。)。

検査方法

細菌検査

耳漏が出ている活動期には、治療前の耳漏の菌検査が大切です。菌の種類によって、対処法が変わります。

パッチテスト(聴力検査)

通常Ⅰ型パッチ(図1)

パッチテスト(通常Ⅰ型パッチ(図1))とは、慢性中耳炎などにより穿孔している鼓膜に薄紙(paper patch)などを当てて穿孔部位を塞ぎ、聞こえが改善するかを聴力検査にて確認する検査です(パッチテスト(図2))。検査の結果によっては、後述するような鼓膜穿孔を塞ぐ手術(鼓膜パッチ手術)を提案する場合もあります。 

パッチテスト(図2)
パッチ施行後、聴力が改善

治療法

慢性化している原因を特定した上で、耳を乾燥させるための治療を行います。症状が軽い場合は患部の洗浄、抗生物質の服用によって治療します。また炎症を抑え、耳だれを止めるために点耳をする場合もあります。耳漏がある活動期には、洗浄に通院が必要な場合もあります。
治療の経過によっては手術が必要となる場合もあります。

鼓膜パッチ術

外来で鼓膜穿孔を閉鎖する手術で、適応症例は限定されます。中耳病変の有無やパッチテストの結果によって、適応を判定します。鼓膜と外耳道を麻酔して、鼓膜穿孔を処置した後、特殊な生体材料(ベスキチン)を穿孔部に貼ります(図3・4)。

 

術後は耳の中に水を入れないように注意し、週に1度位ベスキチンのずれがないかどうかを診察で観察、4・5週間で穿孔は閉鎖することが多いです。閉鎖した後に、ベスキチンを注意深くはがします(上記のような外来手術の適応でなく、入院手術が必要になる場合は、患者さんの状況(住所、症状の程度)を勘案して、提携病院をご紹介いたします。)。

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