『 健康ブログ~スポーツ脳しんとうの危険性 』
足立耳鼻咽喉科が発行する健康ブログです。
地域の皆様の健康の一助になるよう、情報発信しています。
こんにちは、健康ブログ編集長です。日によっては半袖の方も見かけるようになってきました。身体を動かしたい季節ですが、種目によっては”あるリスク”が指摘されています。
知識があるなしでは万一の時の対応が違ってきますので、一緒に勉強していきたいと思います。
本日のテーマは、
「スポーツ脳しんとうの危険な兆候と対策 」
スポーツ脳しんとう。初めてお聞きになった方も多いかも知れません。日本ではあまり馴染みのない概念ですが、海外では様々な議論がされて指針も決められているようです。
昔こんな映画を見ました。舞台は激しいぶつかり合いが醍醐味のアメフトで、有名選手たちが引退後に謎の死を遂げたり、認知機能に異常を起こしたりするようになる。
それが度重なる「スポーツ脳しんとう」の影響かと疑問をもった主人公が、当時認識のなかったアメフト界に挑み苦労の末認知されていくという内容だったと記憶しています。
それからかなりの時が流れ、プロの世界だけでなく一般のスポーツにも起こり得るということが提唱されています。
パッと頭に浮かぶのは殴り合うスポーツ、ボクシングですね。K1などの格闘技や柔道などもそうです。他にもサッカーやラグビー、野球やバスケなども危険性があるそうです。
このブログを読まれている方でこのようなスポーツを楽しんでいらっしゃる方も多いでしょうし、部活などでスポーツをするお子さんにも無関係とは言えません。ざっくりでも良いので知識をつけて頂きたいと思います。
脳しんとうとは?
脳しんとうは脳の深い部分にひずみが起きて、意識を失ったり記憶をなくしたりする症状です。重症の場合は生命に危険を及ぼすこともあるそうですので、要注意です。
一般的には頭を強くぶつけたりした時に起こるイメージですが、前述のようにそうとばかりは限りません。怖いのはボクシングのように直接頭部を打たれなくても、例えばスライディングをした際に相手選手の膝が下顎に入り、脳が強く揺らされた場合でも起こります。また勢いよく尻もちをついても起こるそうです。
症状は意識を失うことが一番多いのですが、ふらついたり、頭痛やめまい、嘔吐という症状も出ます。怒りっぽくなるなど精神面の症状が出ることも。
原因となる受傷をしてから、数時間後に重症化することもあるそうです。考え出すと怖くなってきますね。
権利意識の強い海外では、社会的に認知されて様々な動きが起こっています。昨年イギリスの元ラグビー選手たちが、認知症など脳に何らかの障害が起こった原因は競技団体の過失として提訴する意向を示しています。また世界では小学校低学年のタックルは禁止されています。同じくイギリスでは11歳以下のヘディング練習を禁ずる方針を発表、アメリカでも2016年から同様に指針が運用されています。遅ればせながら、日本でも徐々に浸透しつつあるようです。
脳しんとうかも?と思ったら
サッカー協会のホームページにも脳しんとうの記載があり、ゲーム中の接触などについてはこう書かれていました。
ただの打撲か脳しんとうかを見極める方法
- 自覚症状を確認する。
- 周囲の呼びかけにしっかり応答出来ない。
- 頭痛やめまい、吐き気がする。
- 記憶や現状認識を確認する。
- 今日の日付、氏名、場所などの質問に回答出来るかチェックする
- バランスを確認する。目を閉じて、両手を腰に当てて20秒間立たせ、バランスを崩すなどの動きが頻繁に起こる
このような時は脳しんとうの疑いがありますので、すぐにプレーを中止、専門医を受診しましょう。脳しんとうは対応を誤ると繰り返す傾向があり、度重なると頭痛やめまいなどが1カ月以上続く脳しんとう後症候群、さらには慢性外傷性脳症へんと進行する危険性があります。認知症状やうつ状態になったりするとも言われています。
心身の成長に良い影響があるスポーツにも、危険な部分はあるのですね。しかし怖がっているだけでは何もできなくなりますので、知識をつけて安全に行って欲しいと思います。
それでは、また来週!
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◇ 編集後記
久しぶりに「TED(テッド)」を見ました。ステージ上で、多くの観客の前でプレゼンをする番組です。
内容も面白いんですが、何より話し方が大変参考になります。柔和な笑顔で、身振り手振りを上手く使い、ポイントではジョークで沸かせます。
何よりも、本人も楽しんでいる感が伝わってきます。
日本人なら直立に近い姿勢で、資料を見ながら・・・となるかもしれません。人前で自分の考えをしっかり伝える、共感を得るなどの技術が文化として身についているのがわかります。
私もミーティング時に話をする機会を頂いていますので、面白くてタメになる有意義な時間に出来るよう勉強していきたいですね。
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<当ブログ記事に関しての注意>
・当院の健康記事の詳細は、専門の医療機関にてお尋ね下さい。
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