花粉症治療について
花粉症の症状
スギやヒノキの花粉が飛び始める2~5月頃に、発熱はせず、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった3つの症状のいずれか、もしくは全ての症状を発症することがこの病気の特徴です。
それに伴い、下記のような症状も表れます。
・夜眠れず、睡眠不足 になる
・仕事や家事などの集中力の欠如
・イライラ・むかむかするといった心理的影響
・副鼻腔炎(いわゆる“蓄のう症”)の併発など
花粉症は季節性のアレルギー性鼻炎です。
鼻やのど、耳、目などの皮膚に植物の花粉が、接触することによって下記のような症状を引き起こします。
・くしゃみが止まらない
・滝のように出る鼻水
・息ができないような鼻詰まり
・のど・耳・目のしつこいかゆみ
原因についての検査
花粉症を引き起こす原因として一般的な花粉はスギ花粉・ヒノキ花粉・ブタクサ花粉・ヨモギ花粉が挙げられます。アレルギー体質の人が増加している背景には食生活や住環境の変化が挙げられます。また、PM2.5や黄砂などによる大気汚染といった要因も花粉アレルギーを助長する原因として考えられています。
花粉症を引き起こすメカニズム
当院では花粉症の原因を特定するため、どのような物質にアレルギー反応を起こすかを測定する血液検査を行っています。
花粉症の治療法
薬物療法・初期療法
毎年症状を抑える為に飲んでいる抗アレルギー剤。大半の花粉症の方は、この薬のお世話になっていると思います。眠気も確かに気になるお薬ですが、効果と眠気のバランスの取れた良い薬も増えてきました。また、点眼や点鼻薬なども十分効果があるものがあります。もちろん薬価の安いジェネリック医薬品もご用意しております。
ただし、抗アレルギー剤の最大の弱点は「効果が出始めるまでに時間がかかる!」ということなんです。花粉症治療に用いる抗アレルギー剤は、服用してすぐに効果は出ません。個人差がありますが、効果が出始めるのに飲み始めから1週間~2週間くらいかかります。ですので、花粉が飛散し始めて症状が出てからではちょっと遅いのです。以前からこの弱点はあるのですが、意外と知られていません。この弱点をカバーする方法が、初期療法です。
舌下免疫療法
舌下免疫療法はアレルゲン免疫療法の一つで、アレルギーの原因であるアレルゲン(=アレルギーの原因物質)を少量から服用することで、体をアレルゲンに慣らし、根本的な体質改善が期待できる治療法です。
アレルゲンを直接体内に取り込む療法は昔からありましたが、今のような内服ではなく注射剤でした。ですのでどうしても通院する必要があったのです。錠剤になったことで、飛躍的に簡便になりました。根本的な体質改善が、より簡便に出来るようになりました。
現在舌下免疫療法のアレルゲンは「スギ花粉」と「ダニ」のみしか発売されておりません。製造に手間ひまがかかる製剤ですので、今後も増えていくかどうかは微妙です。
レーザー治療法
花粉への反応の起こっている場所(鼻粘膜)をレーザーで焼きます。そうすることで反応部位をなくし、あのツラ~い花粉症の症状を一定期間抑えることが出来ます。(術前、術後含めて5回~10回程度は通院しなくてはなりません。詳しくは医院でお尋ね下さい)
長い期間かけて薬を飲む必要もなく、また眠気のある薬を我慢して飲む必要もありません。比較的早く結果を得ることが出来ますので、とにかく今シーズンを乗り切りたい!という方にはうってつけだと考えます。
重症の花粉症治療薬「ゾレア注」について
4人に1人がスギ花粉症と言われる現代、そのヒドい症状に悩まれる方はかなり増えてきています。
・内服薬を飲んでも、くしゃみ・鼻水がとまらない・鼻がつまるといった症状が治まらず、1日中ティッシュが手放せない方。
・眠気などの副作用が出やすく、もっと強力な効果が期待できる薬剤に変更・増量したいけど出来ない方。
・内服、点鼻薬、点眼薬などフルに服用していても、全く症状が軽くならない方。
このような方にとって、大きな選択肢が登場致しました。それが「抗IgE抗体製剤ゾレア」です。クリアしなければならない条件がありますが、花粉症に効果があると期待される治療の一つです。
その他対策
花粉症で最も重要なことは原因となる花粉を避けるよう、注意してください。
マスクは口と鼻の両方が隠れるマスクをして下さい。一般的にかけるメガネであっても、目に入ってくる花粉の量は何もしていない時の3分の1程度にまで減らすことができると言われています。
服は表面が起伏のないタイプ(ツルツルした素材)であれば、花粉の付着は最小限に抑えることができます。昼間に窓を開けないようにしたり、洗濯物や布団を外に干さないようにしましょう。アレルギー症状を悪化させる原因には不規則な生活リズム、睡眠不足、過労、ストレスを挙げられますので、これらを避けることも症状軽減に有効です。
また朝や夜で対策も変わってくるため、十分対策が必要です。