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『 健康ブログ~新しく舌下免疫療法を開始する方に赤信号!? 』

[2023.04.24]

名古屋市中区栄の足立耳鼻咽喉科がお届けする健康ブログです。当ブログでは耳鼻咽喉科領域に限らず、もう少し広い視野でより快適に生活できる情報を発信します。また流行りの健康情報ではなく、基本に忠実な情報をお届けしたいと思っています。末永く宜しくお願い致します。
(専門外の病気についての詳細は、各専門科でお尋ねください)


こんにちは、健康ブログ編集長です。今年は季節の進み方が早いせいか、春が長く感じます。四季の中でも春は好きな方も多いと思いますので、存分に今を楽しめたらいいですね。

本日はお詫びを兼ねての記事になりました。


本日のテーマは、

「 残念!舌下免疫療法の新規治療ストップです・・・ 」


岸田総理が14日の「花粉症に関する関係閣僚会議」の初会合で、「舌下免疫療法など根治治療の普及に向けた環境整備」などを柱に、6月の骨太方針に向けて花粉症対策を取りまとめるように指示をしたという報道がありました。おそらくですが、総理大臣から「舌下免疫療法」という治療法の名前が出たことは初めてではないでしょうか?

この時の提出資料には、19年度のアレルギー性鼻炎の医療費に保険診療で約3600億円、うち内服薬で1729億円が費やされている現状を示したそうです。

ちなみに22年度ですが、OTC薬(ドラッグストアなどで販売されている薬)では392億円のアレルギー性鼻炎の薬が出荷されたとのこと。すごい金額・・・まさに国民病の名に負けない金額だと感じました。

総理が口に出した「舌下免疫療法」とはいったい何か、そして今舌下免疫療法を始めたい方にお伝えしないといけない事がございます。

 

舌下免疫療法とは?

何度も何度も当健康ブログ、そして当院ホームページやSNSでも記事を書き続け、舌下免疫療法の可能性や治療してよくなった方の声もお届けして参りました。すでに理解頂いておられる方が多い中ですが、改めてご説明させて頂きます。

舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)とはその名の通り、

「薬を舌の下に1分ほど保持しその後飲み込むことで、アレルギーを起こす原因物質に対する免疫を獲得する治療法」です。

舌下に保持する薬剤は現在2種類で、一つはスギ花粉をエキス化したもの。もう一つはダニをエキス化したものになります。この薬剤を服用し、スギとダニアレルギーに対して免疫をつけることでアレルギー反応を起こさせなくする治療法です。言い方を変えると、体質改善を促す治療だとも言えます。

製造販売元の鳥居薬品は、服用期間は3年以上を推奨しています。3年!?と驚かれる声が聞こえてきそうですが、体質を変えるにはそれくらいの期間が必要だという事ですし、逆にあまりに短期間で変われます!という方が怖い気がします。

当院の患者さんにお聞きしますと、1年未満で効果が出た方もいらっしゃいますし、うまくいかなかった方ももちろんおられます。個人差がありますので、全員に有効ではないことは知っておいてください。

また医薬品ですので副作用もいくつかありますし、重大なものとしてアナフィラキシーショックがございます。確率は低いものの、まったくリスクがないわけではありません。ただショックの出やすい最初の服用時は院内で服用して頂き、大丈夫であることを確認しますのでご安心頂ければと思います。

このようにメリットデメリットございますが、舌下免疫療法は治らない病気と思われていたスギやダニのアレルギーを治す可能性を秘めた治療法であるのは間違いありません。アレルギーでお困りの方は挑戦する価値があると考えます。

 

今、舌下免疫療法に起こっていることとは?

前章でお勧めした舌下免疫療法ですが、実は困ったことが起きました。それは薬剤の供給がかなり制限されたことです。以下に鳥居薬品さんから医療機関宛てに届いた文面です(抜粋)


さて、弊社の舌下免疫療法薬『シダキュアⓇスギ花粉舌下錠 2,000JAU』(増量期製剤)につきまして、弊社想定を大幅に上回るご注文が継続しており、今後もこの状況が継続した場合、『シダキュアⓇスギ花粉舌下錠 5,000JAU』(維持期製剤)に関して、安定供給に支障をきたす可能性が否定できないとの判断に至りました。

急激な需要増に対する対応が製品特性上困難であることを踏まえ、既に服用されている患者様への『シダキュアⓇスギ花粉舌下錠 5,000JAU』(維持期製剤)の安定供給を優先とすることとし、関係特約店様に対しては、新規導入に用いる『シダキュアⓇスギ花粉舌下錠 2,000JAU』(増量期製剤)を限定出荷させて頂きます。

(中略)

本件につきまして、医療関係者の皆様、患者様にご迷惑をおかけしますことを心よりお詫び申し上げます。限定出荷解除時期につきましては、目途が立ち次第、速やかにご案内申し上げます。何卒、事情をご賢察の上、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。


当院にとっても日本中の耳鼻科医にとっても寝耳に水、非常に歯がゆい状況になってしまいました。ようやくアレルギーシーズンも終わりを迎え、6月頃から新しく治療を開始しようと思った矢先の出来事でした。

すでに予約的な感じで待って頂いている患者さんには誠に申し訳ないですが、現状は新規治療はお受けできない状況です。

メーカー側の生産体制が整い次第、ホームページなどでお知らせしますので、時期は未定ながら今しばらくお待ちください。

 

まとめ

最後までお付き合い頂き、有難うございました。本日は「舌下免疫療法の新規治療ストップ」というテーマでお話を進めてきました。

内情を包み隠さずお伝えしていますのでこれ以上説明が出来ないのですが、不明点などはスタッフにお問い合わせください。薬剤はありませんが、舌下免疫療法に関する情報は引き続き発信して参りますし、当院ホームページにも掲載しておりますので、宜しければご覧頂けますと幸いです。


それでは、また来週!

 

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◇ 編集後記

今回の件とは関係ありませんが、実は医薬品業界では数年前から流通に関して様々な問題が勃発しています。

コロナ禍の影響もありましたし、製造基準からの逸脱などの企業の不祥事も多く、その影響をモロに受けました。使いたい医薬品が入手出来ずに探し回ったり、変更するケースもありましたし、変更する薬剤すらない・・・というケースもありました。まだ継続中ですので、患者さんにもご迷惑をかける事もあるかも知れません。

今や世界は様々な部分でつながっており、世界で起こっていることは決して他人事でないのですね。

世界で起こっている残虐な事件、紛争がなくなることを心から祈ります。

 

 

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<当ブログ記事に関しての注意>

・当院の健康記事の詳細は、専門の医療機関にてお尋ね下さい。


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1.足立耳鼻咽喉科 四日市本院:三重県四日市市羽津山7-8

2.足立耳鼻咽喉科 伏見クリニック:愛知県名古屋市中区栄1丁目2-3 プラウドタワー名古屋栄2F

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