『 健康ブログ~グキッ!ときたら、まずはRICEで応急処置を!』
名古屋市中区栄の足立耳鼻咽喉科がお届けする健康ブログです。本職は耳鼻咽喉科領域の治療を専門としていますが、当ブログではもう少し広い視野で、より快適に生活できる情報を発信します。流行りの健康情報ではなく、面倒だけど基本に忠実な情報をお届けします。
こんにちは、健康ブログ編集長です。梅雨空が続きますが、まもなく夏本番。夏と来ればスポーツ!?スポーツとくれば、捻挫です!?
かなり無理やり感が強いオープニングですが、本日は捻挫の応急処置についてです。
本日のテーマは、
「 グキッ!となったら、RICE処置がおすすめ 」
スポーツをしている最中、あわただしい通勤途中にグキッ!となったことありませんか?
そうです、捻挫(ねんざ)ですね。私も学生時代は時々やってましたが、社会人になってからはあまり記憶はありません。しかし活動的になる夏前ですので、いざという時に備えて知識をつけておきましょう。
捻挫とは?
捻挫とは不自然にひねることで、靭帯(じんたい:骨を互いに結び、その連結を補強している部位)や腱、軟骨などが損傷してしまう状態のことです。部位別には足首や手首に起こりやすいです。患部が赤っぽく腫れたり、熱感を伴うこともあり、関節周辺の血管が切れて、内出血をおこし、痛みを伴います。
痛みが出るのは、炎症や傷の刺激で発痛物質が作られるせいです。靭帯の損傷度合いにより3つの重症度に分かれます。
捻挫の応急処置
この応急処置次第で治りが違ってきますので、よく聞いておいて下さいね。
応急処置でお勧めなのが、「RICE処置」。RICEとは、以下の言葉の頭文字を取っています。
- R=REST(レスト:患部の安静)。炎症を起こしていますので、患部は動かさず、安静にしましょう。歩けたり、痛みがないと動かしがちですが、油断は禁物です。また患部をあまり触らないようにしましょう。
- I=ICING(アイシング:冷却)。患部の炎症を抑えるには、すぐに冷やすことが大切です。氷をたくさん入れたバケツの中に患部を突っ込み冷やしたり、ビニール袋などに氷を入れて患部を包むと良いですね。あまり冷やし過ぎると凍傷になってしまいますので、数10分したら間隔をあけます。氷がない状態ならば、効果は弱まりますが水道水で冷やすことも頭にいれておきましょう。
- C=COMPRESSION(コンプレッション:圧迫)。内出血を抑えるために包帯やテープを強めに巻きます。圧迫し過ぎると血液の循環が悪くなり、神経が過度に圧迫されるので要注意。強く締めたまま寝ないようにしてください。
- E=ELEVATION(エレベーション:患部を高くする)。患部を心臓より高い位置にあげることで、腫れの原因の水分が吸収されます。就寝時に足を高く挙げて寝るのも効果的です。
RICEをけがの直後から1~2日続けると、治りは格段に早くなります。
捻挫に関する、よくある誤解
痛みがなければ、安心?
痛みを感じにくい靭帯もありますので、痛みがないから大丈夫と素人判断はしないことが大事。まずはしっかりとRICE処置をしましょう。
放置しておけば、自然と治る?
「捻挫なんて放っておけば、自然と治っているよ」という声もありますが、どうなのでしょう?
例えば一時的に靭帯が伸びているだけの軽傷であれば、適切な応急処置をして安静にしていれば1~2週間で腫れや痛みは引いていきます。それとともに関節も元の位置に戻ると言われています。この場合は病院に行く必要はないかと思います。
しかし靭帯が完全に断裂しているような重症の捻挫の場合は、自然と治ることはありません。何カ月も腫れや痛みが引かないでしょうし、関節が不自然に変形したままというリスクもあります。必ず病院で治療を受ける必要があります。
捻挫の治療
捻挫をしたら基本的には「整形外科」を受診しましょう。整形外科では捻挫の重症度(I~Ⅲ度)によって治療が変わってきますが、軽度であるI度では、基本的にRICE処置が行われます。
中等度のII度ではRICE処置に加えて、包帯やテーピングによって十分な固定が行われます。概ね1~2週間は患部を安静にする必要があります。
重度の捻挫(III度)では、従来の治療に加えてギプスでのがっちとした固定が行われます。完全に固定化してしまうため、関節が固まってしまわないように経過を見ながらリハビリも行います。靭帯の断裂状況や部位によっては、手術が必要になります。
突然襲ってくる捻挫。応急処置のやり方を知っているのと知らないのとでは、その後が変わってきますので覚えておいて下さいね。社会人になると機会は減るとは思いますが、お子さん
それでは、また来週!
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◇ 編集後記
もうすぐオリンピックですが、コロナ感染拡大下での開催には多くの否定的意見が絶えません。無観客とはいえ世界中の人が集まるわけですので、万一を考えると恐ろしい気がします。
私も正直反対派ですが、大舞台に向けて研鑽を続ける選手の皆さんを想うと、複雑です。貴重で後戻りの出来ない大事な機会、選手の方にはベストを尽くして欲しいと思います。
これからもコロナの影響は続きます。決して油断せず、でも過度に恐れず、日本人の対応をしていきましょう。
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