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『 潔癖症はいいけれど・・・お尻の洗い過ぎで、トラブル続出!?』

[2021.02.22]

足立耳鼻咽喉科が発行する健康ブログです。
地域の皆様の健康の一助になるよう、情報発信しています。


こんにちは、健康ブログ編集長です。皆さ~ん、来ましたよ~、お待ちかねの春到来です!?ちょっと気が早いのかも知れませんが、そう思いたくなる暖かな日です。
休日は1時間ほど歩きますが、昨日は人も多かったですね。コロナ禍でいろいろな我慢を強いられる日常が続きますので、外の新鮮な空気を思う存分吸い込むと気持ちと体が楽になる気がします。

本日のテーマは、

「 お尻の洗い過ぎで意外なトラブルが!? 」


長く連載の続く歴史ある当ブログですが、お尻ネタは初めてかも知れません・・・。下ネタ苦手な私、心配です(安心して見ていられるって?)。
肛門をムズムズさせながら、始めて参りましょう。

先日ネットで見かけたタイトルが衝撃的でした。
「温水洗浄便座で洗いすぎのお尻が大変!」

え、一体お尻に何が起こってんだ!とばかり、一気に記事を読み漁りました。聞きたくないでしょうが、私はウオシュレットをこよなく崇拝する人間、様々な反論を用意しながら、ウオシュレットを擁護すべく読み進めました。

 

最近のお尻事情

1週間ほど前のことですので内容を思い出しながら要約しますと、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、働き方、生活環境に変化が生じてきました。自宅で過ごす時間の増加、テレワークの導入などで椅子に座る時間が以前より長くなったことで、今までなかった健康トラブルに悩む人もいるかもしれません。今日のテーマ、お尻のそのひとつです。

お尻のトラブルで肛門科に来院される方には、1つの共有点があります。それは、体やお尻をよく洗っているという事です。元々潔癖症な国民性ですが、在宅時間が増えてさらに加速しているのでしょうか?

「いいじゃないか、良く洗って何が悪い?」

そうだ、そうだ! (これ私です。立場をすっかり忘れています笑)

トイレに行けば必ず温水洗浄便座の洗浄機能を使う。お風呂でせっけんをつけてしっかりこすり洗いをする。中には、肛門を消毒している方までいるそうです。なかなかのツワモノ。
しかし、「お尻は清潔にしておかなくてはいけない」と意識を高く持って洗っている人ほど、トラブルに巻き込まれます

肛門科の医師がそういう方のお尻を診ると、肛門が真っ白だったり、シミだらけだったり、ブツブツになっていたりとかなり悲惨な状態になっているそうです。

 

お尻のトラブルの原因

多くの原因は前述した、肛門の洗い過ぎ。では何故肛門を洗い過ぎるといけないのかという点をお話します。

それは、お尻を洗いすぎると「皮脂膜」がなくなってしまうからです。皮脂膜は、皮膚の表面を潤している天然の油分であり、とても重要な皮膚のバリア機能を担っています。
皮脂膜は外部から有害な物質を侵入するのを防ぐだけでなく、弱酸性のためバイ菌の増殖を防ぎ、皮脂膜の中にいる常在菌が肌を守ります。

また、皮膚の表面が皮脂膜という油分で覆われているので、皮膚内部の水分が蒸発せずにすんでいます。肌を守り、水分の蒸発を防ぐ皮脂膜は、洗いすぎると簡単になくなってしまいます。
そのため、洗いすぎたお尻は免疫力が低下して、さまざまなトラブルを引き起こすのです。

皮脂膜がなくなると、皮膚の炎症がなかなか治まらず、ただれていきます。その結果、肛門周りに湿疹ができて真っ白になったり、炎症が慢性化・長期化して色素沈着が進み、皮膚が黒ずむこともあります。

さらに”メラノサイト”というシミやホクロを作る細胞が活性化されて増殖するため、洗いすぎるとシミやホクロが増えたり、色素沈着を起こします。
洗いすぎによる摩擦でプツプツ(稗粒腫)ができたり、乾燥を防ぐために過剰に皮脂が出てきてペタペタ・テカテカなお尻になったりするのです。


毎日お尻を洗いすぎると、炎症が繰り返され免疫力が低下した状態が続くため、皮膚組織から癌細胞が発生しやすくもなるそうです。これは笑いごとでは済みません。この医師はお尻のかゆみで悩まれていた患者さんが、実は皮膚癌だったというケースを何度も経験したそうです・・・。

日本大腸肛門病学会で「温水便座症候群」という病名が提唱されました。これを受けて、医療の現場でも「お尻は洗いすぎないように」という指導方針に変わっています。

 

お尻を守る対策

たかがお尻と思っていても、治らない症状や生死に関わる病気を発症してしまうことがありますので注意が必要なんですね。このようなお尻のトラブルを解消・予防するために、まずは洗い過ぎないことから始める必要があります。


対策としては、

  • 温水洗浄便座の洗浄機能をあまり長く使わない。
  • お風呂で肛門に直接シャワーを当てない。
  • せっけんやボディソープで肛門近くを洗わない。
  • ボディスポンジやボディブラシ、タオルなどで肛門をゴシゴシこすらない。

お風呂でお尻を洗う場合は、手のひらでせっけんやボディソープを泡立てお尻(臀部)に優しくつけ(肛門にはつけない)、洗うときは手でお尻をなでるだけに留める。シャワーは、お腹や胸、背中、肩などに当てて流すだけで、お尻は十分キレイになります。どうしてもあまり綺麗な部位ではないという気持ちが洗い過ぎに繋がっているのかも知れません。
私同様、綺麗好きなウオシュレットラバーの皆様方には思い当たるところもあったのではないでしょうか? 今日からはほどほどに、優しく接してあげましょう。

それでは、また来週!

 

 


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◇ 編集後記


ウオシュレットは外国人が来日した時の「感動したモノ、BEST10」くらいにランクインしていた気がします。
今や公衆トイレにも常備されていますし、携帯ウオシュレットまで販売されています。こんな国は世界でも日本くらいじゃないでしょうか?

でもあまりに潔癖過ぎるのも良し悪し、ほどほどに汚く?生きていきましょう。

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<当ブログ記事に関しての注意>

・当院の健康記事の詳細は、専門の医療機関にてお尋ね下さい。


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1.足立耳鼻咽喉科 四日市本院:三重県四日市市羽津山7-8

2.足立耳鼻咽喉科 伏見クリニック:愛知県名古屋市中区栄1丁目2-3 プラウドタワー名古屋栄2F

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