『 健康ブログ~お子さんの睡眠、大丈夫ですか?』
名古屋市中区栄の足立耳鼻咽喉科がお届けする健康ブログです。当ブログでは耳鼻咽喉科領域に限らず、もう少し広い視野でより快適に生活できる情報を発信します。また流行りの健康情報ではなく、基本に忠実な情報をお届けしたいと思っています。末永く宜しくお願い致します。
(専門外の病気についての詳細は、各専門科でお尋ねください)
こんにちは、健康ブログ編集長です。睡眠時間の確保が健康に必須要素である事は誰もが知っている事ですが、統計を見ても日本人の睡眠はあまり良いとは言えないようです。コロナ禍以降、弱い子どもへの様々な影響が現れてきていますが、今日は睡眠に焦点を絞ってどうなっているのかを見ていきましょう。
本日のテーマは、
「 子どもたちの睡眠障害について 」
過去ブログで「日本人の睡眠状態」について何度かお話したことがありますが、世界的に見ても日本の睡眠情勢は少し異常です。成長期を終えた大人はまだしも、心身の成長途中の子どもたちの現状を大変危惧します。睡眠は生命活動を営む上で非常に重要であるのはわかっているのに、良くない睡眠習慣が心身を蝕んでいないと良いのですが・・・
子どもたちの睡眠、大丈夫?
まず最初に世界と日本の睡眠時間の比較(2021年)をご覧下さい。
- 南アフリカ 9時間13分
- 米国 8時間51分
- 英国 8時間28分
- ドイツ 8時間18分
- 韓国 7時間51分
- 日本 7時間22分
- OECD33か国平均 8時間27分
平均を約1時間、米国と比べると1時間30分ほど短くなっています。睡眠時間は短くても慣れるから大丈夫と言われるかも知れませんが、自分に置き換えても1時間30分も早く起きたら、その日はずっと眠いはずで、これは体は眠りを欲している状態です。発達過程の子どもがこんな生活をずっと繰り返して良いとは思えません。
1月29日の朝日新聞で「子どもたち、眠れてる?」という特集記事を見ました。そこには睡眠不足による不調を訴える子どもたちの実態が浮き彫りにされています。
ケース1
勉強が厳しい学校に入学し、入学直後から大量の宿題が出た。他にも自主課題が出され、毎日1ページ分ぎっしり隙間なく文字を書かないと許されない状況でした。
あまりに疲れ、机に突っ伏して寝たこともあるそうです。親は最初は叱っていたが、そのうちに体調不良で不登校になった。
学校を辞めて定時制高に転校、治療を続け今は改善したが、わかりやすい病気でない為サボっていると思われて辛かったと話しています。
ケース2
小学校5年生の時「授業中に居眠りしている」と先生に指摘され、病院に相談、睡眠導入剤を処方される。その後も改善がなく薬はさらに増えて朝が起きられなくなり、「睡眠リズム障害」と診断。しかし学校の理解は得られず、不登校気味という扱いになった。
上記のような例は全国的にかなり多いようで、表立った問題になっていない場合でも子どもたちの学業、そして未来に大きな影響を与えることにもなりかねません。
親が気をつけないといけないこと
今の子どもたちは、非常に大きな出来事を体験しました。そう、コロナ禍ですね。心身の成長に本当に大事な時期、多感な時期をコロナが大きく変えたのは事実です。普通に学校に行って、修学旅行に行って、友達と大いに語り合ったり、楽しく過ごす時間を奪われています。この影響の大きさを親は心しておくべきです。その中でもコロナ自粛などで生活リズムが崩れ、そのまま睡眠障害になったケースも非常に多いようです。
またスマホの悪影響もさらに加速しており、今や子どももスマホなしの生活は考えられないような状態。大人でも巧みに誘惑されるスマホのコンテンツの影響に対して、無防備な子どもたちへの影響は恐ろしくもあります。
夜更かしやスマホ閲覧について親がガミガミ言っても、残念ながら解決は出来ないケースが多く、お子さんと本当によく話合わないといけないようです。また他の家では上手くいった方法も自分のお子さんにが合いません。興味対象や性格、個性は全員違うので、お子さんに合った方法を模索するしかないのです。
ここで解決策を申し上げることは出来ませんが、事実を認識し正面から向き合う勇気をお持ち頂きたい。未来を支える子どもたちを宜しくお願いします。
まとめ
最後までお付き合い頂き、有難うございました。本日は「子どもの睡眠障害について」というテーマでお話を進めてきました。いかがでしたでしょうか?
コロナ禍を経験して感じたことは、当たり前に思っていた”普通”が非常に尊いことだったということです。テクノロジーの進歩は便利で快適さを与えてくれますが、弊害もあるという事です。子どもたちは大人を信じてくれていますので、良き見本でありたいと心から思います。
それでは、また来週!
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◇ 編集後記
春の気配を至るところで感じます。厳しい夏も控えていますが、しばし素晴らしい季節を楽しみたいですね。
自分で料理をするようになって、食や素材そのものに興味が出てきました。そんなわけで、今年は家庭菜園に挑戦したいと考えています。いきなり土を耕して・・・は失敗しそうですので、プランター菜園からスタート、その後自分に向いていればもっと大きくしていこう。
自分で作って収穫した野菜がどんなものか、楽しみですね。え、おすそ分けですか?働かざる者、食うべからず!?
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・当院の健康記事の詳細は、専門の医療機関にてお尋ね下さい。
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