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『 健康ブログ~これからの季節、ムカデの被害に合わない為の5つのポイント!』

[2021.06.28]

名古屋市中区栄の足立耳鼻咽喉科が発行する健康ブログです。副鼻腔炎、アレルギー、めまいなどの治療を専門として、より快適に生活できる情報を発信します。
快適に暮らしたい方、健康の大切さを再発見したい方は必見です。


こんにちは、健康ブログ編集長です。私の家はわりとムカデと遭遇します。大抵はお風呂場が多いのですが、時々居間や玄関にも・・・。もう家族はパニック、阿鼻叫喚の地獄絵図です。
幸い噛まれたことはありませんが、あの姿と色合いは生理的に気味が悪いですね。


本日のテーマは、

「 ムカデの被害に合わないために!生態と対処法を教えます!」

ムカデ競争


本日のテーマは、健康ブログ初の虫ネタ。大半の方は虫嫌いだと思いますが、さらにムカデと来ればもうイヤ、読みたくない!と思われますね。しかしムカデ被害を防ぐのも健康ブログの使命、我慢して最後までお付き合い下さい。
ムカデに近寄って欲しくないならば、敵を知ることが大切です。虫には比較的強い私も、ムカデはさすがに無理。しかし読者に為に決死の覚悟で続けます(写真は載せませんので、ご安心を!)。

ムカデの生態

6月に入ると、全国でムカデの被害が増えてきます。農村地帯、山間部、海岸沿いなど全国に広く棲みついていますから、都会に住む人でもキャンプやアウトドアで咬まれることがよくあります。とくに地方病院の皮膚科では、定番の傷病のひとつになっています。

日本には100種類以上のムカデが棲息していますが、その中で健康被害をもたらすのは、主にトビズムカデ、アカズムカデ、アオズムカデの3種類です。体長10~15cmほど、頭の色がそれぞれ鳶(明るい茶色)、赤(暗赤色)、青(青ないし暗青色)なので、そのままの名前が付いています。

頭の下から、オスクワガタの大あごに似た三日月形の鋭い牙が前方に突き出しています。実はこれは牙ではなく最前列の脚が変形したもので、正式には「顎肢(がくし)」と呼ばれています。
これで相手に抱きつくようにして鋭い爪を突き刺し、先端から毒を注入するのです。顎肢は注射器のような中空構造で、毒腺から毒液を効率よく相手に注入できるようになっています。

噛まれる場所は「手」と「足」で7割を占めます。ムカデは、昼間は石や枯葉の下、物陰などに隠れていて、夜になると活動を始めます。夜行性で気性は攻撃的で荒く、民家やテントなどに侵入する習性があり、寝ている人の首筋や顔を這いまわることがあります。それを無意識のうちに手で払いのけようとして、手足を咬まれる人が多いのです。

被害者はあまりの痛みに飛び起き、夜間救急に駆け込むことになります。ある地方中核病院の報告によれば、患者の約6割が自宅内で受傷しており、半数以上が夜間救急を受診しているとか。
海外でもまったく同様で、たとえばオーストラリアの統計では、患者の半数が自宅、また半数が夜に咬まれているそうです。 受傷部位は手が最も多く(4~5割)、次いで足(2割)となっています。

またムカデは靴の中に潜り込む癖があるため、朝になって履こうとした途端、咬まれるケースもあります。テントなどで宿泊する人は、靴の確認を怠らないよう注意が必要です。

よくムカデはつがいで住んでいると言われていますが、実は基本的に単独行動なんです。生殖のためオスがメスに精子の入った袋を渡し、それをメスが受け取って受精するそうです。オスとメスが一緒なのはこの時のみで、いつまでもくっついているとメスに
食べられてしまします。どの世界でもオスは大変だ・・・。その後2ヶ月程度、母親が子供を守って暮らすそうです。ですので複数行動しているのは親子(母子)ということです。

しかし知れば知るほどキモい(笑)。色も怖い(笑)。

噛まれた時の対策

噛まれた場所をヤケドしない程度に温める

咬まれても、命に関わることは滅多にありません。主な症状は激しい痛みです。痛みの感じ方には個人差があり、なんとかガマンできるという人もいれば、あまりの痛みに動くことすらできない人までさまざまです。痛み以外では、咬まれた場所が少し腫れることがあります。また頭痛や倦怠感が出る人もいます。

痛みに対する応急処置として「43℃以上に温めるとよい」と昔から言われてきました。実は海外でも同様で、患部を火傷しない程度に温めるとよいとされています。
ムカデ毒には数種類の酵素が含まれているのですが、高温によってそれらが失活するからだと考えられています。逆に氷などで冷やすのも有効と言われています。低温にすると、やはり酵素の働きが鈍くなるからでしょう。とっさに43℃以上のお湯は難しいので、冷水を覚えておくと良いですね。

鎮痛剤や局部麻酔の効果は、温めたり冷やしたりするのと大差ないといいます。慌てて病院に行っても、お湯で温めて抗ヒスタミン薬やステロイド薬の軟膏を塗ってくれる程度です。
家で応急処置をして翌日の日中に受診しても、あまり違いはありません。病院には行かず、そのまま家で手当して済ませてしまう人もかなりいるようです。何もしなくても、痛みは1~2時間で和らいできます。

アナフィラキシーショックで亡くなる人がいる

ただし「アナフィラキシーショック」を発症する人がいるので、それだけは注意が必要です。滅多にないことですが、ムカデ咬傷で亡くなる人もいます。
国内でも、2019年に80代女性が1人、2017年に70代男性が1人亡くなっています。死亡統計の数字だけでは症状は読み取れませんが、おそらくアナフィラキシーショックによるものと思われます。

過去に何度も咬まれている人ほど、アナフィラキシーを発症する確率が上がります。しかしムカデは今回が初めてという人でも、必ずしも安心できません。
ムカデ毒にはハチ毒と共通の成分が入っているため、過去にハチに刺された人の中には、ムカデが初回でもアナフィラキシーを起こすことが、ごく稀ではありますが報告されています。

ムカデ毒自体で亡くなった人は、世界的にもほとんどいないようです。数年前、ハワイで22歳の若者がムカデに咬まれ、半日後に心筋梗塞の症状が出たという事例がありました。
おそらく毒の作用によると考えられています。幸い数日後には回復していますが、ハワイや東南アジアなどに生息する熱帯性のムカデは大型で(体長20~30cmにもなる)毒量が多く、咬まれると心臓発作などを起こすことがあると、以前から言われてきました。コロナが収まって海外旅行に行けるようになっても、ムカデがいそうな場所には近づかないほうがいいでしょう。

ムカデを自宅に侵入させない対策

エサになるものを置かない

ムカデの大好物は・・・ゴキブリ!(彼らには悪いけど、嫌われ者のオンパレード)基本的に動くものを襲うそうですが、ゴキブリを好んで食すようです。ですのでゴキブリを減らすことが間接的にムカデを侵入させない有効な手段です。
ゴキブリの餌になりそうな台所のゴミ、食べ残しなどは毎日綺麗に片付けましょう。また物陰に潜みますので、家の中の整理整頓も必須です。

そしてムカデは水だけでも生きながらえるそうですので、洗面所や風呂場、台所の水の始末もしておくと良いでしょう。

戸の隙間をなるべくなくす

これは構造上難しいとは思いますが、ムカデがアルミサッシの隙間からでも簡単に侵入してきます。埋めれるところは物を詰めたり、テープを貼ったりして隙間をなくしましょう

庭の管理も重要

庭やベランダに置いてある鉢やプランターも、ムカデには格好の住処になりますので、不要なものは片づけたり、時々チェックしましょう。落ち葉なども片付けておくと良いですね。

ムカデ専用の殺虫剤を仕掛ける

ムカデ専用の薬剤はたくさん売られています。持続期間も短く結構高いですが、余裕のある方は行って下さい。ムカデに遭遇したら殺虫剤の他に、熱湯も有効です。足でつぶしても簡単には絶命しませんのでご注意を。

ムカデ専用の罠を仕掛ける

これは専門の駆除業者が使う方法ですが、水で濡らした雑巾を3~4枚用意します。雑巾を重ねるのすが、隙間を作ってふんわりとした感じで山状に重ねます。ムカデの好む水分と、山状のものに昇る習性を利用した罠です。上手くいけば雑巾の隙間に入っているという仕組みです


いかがでしょうか。記事を書いている最中もムカデの色やシルエットが頭に浮かび、かなりのキモさです。ムカデが出没する我が家でも実践していることを、シェアさせて頂きました。
これからはムカデに限らず、虫の大好きな夏。被害に合わない為にも正しい対処法を知っておいて下さい。


それでは、また来週!


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◇ 編集後記

ふう~、やっと書き終えました(笑)。キモすぎです。

日常生活に普通に接するという意味では、ハチ同様かなり危険な生物ですね。
しかし人間側の武器である殺虫剤も進化しています。出没しそうな場所にしっかり準備しておきましょう。

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<当ブログ記事に関しての注意>

・当院の健康記事の詳細は、専門の医療機関にてお尋ね下さい。


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1.足立耳鼻咽喉科 四日市本院:三重県四日市市羽津山7-8

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